2012年5月23日 丸田祥三、『眠る鉄道 SLEEPING BEAUTY』(小学館、定価2500円+税)発売のお知らせ

 去る2012年4月30日、丸田祥三氏の写真集、『眠る鉄道 SLEEPING BEAUTY』が小学館から発行となった。どのような写真集であるのかは裏表紙に記された丸田氏の言葉が如実に示している。
「朽ち果てた鉄道車両。錆びた線路――。命を失い景色に同化していく鋼鉄の者たち。自然と文明が織りなす森の奥、目覚めることなき、その姿は“SLEEPING BEAUTY(眠れる森の美女)”と呼ぶに相応しい。その美は束の間であり、かつ永遠である。」
 本書は鉄道車両を中心に、構造物など、全国各地に点在するあるいは点在した延べ96にわたる廃車体や遺跡を撮影した写真集である。とここまで記すと、単なる「がらくた」の写真が列記されているのかと思われる方も多いことだろう。
 しかし、本書に掲載されている廃車体や遺跡は裏表紙の文言とは裏腹に「死んで」はいない。見る者に何かを訴えかけている。それは助けを求める声かもしれないし、恨み言かもしれないし、辛かった生涯の回顧かもしれない。いずれにせよ、がらくただと思われている存在一つ一つには紛れもなく生命の息吹が感じられる。無機質な物体をここまで表現した丸田氏の才能には感嘆せざるを得ない。
 本書はまた、鉄道愛好家として知られる小学館「IKKI」編集長の江上英樹氏の執念とも言える作業によって世に送り出されたものでもある。その一端は巻末の「作品解説」をご覧いただければたちどころにおわかりいただけることだろう。ここには延べ96にわたる廃車体や構造物の現役時代の写真が掲載された。現役時代の車両の番号は廃車体のものと同じというものまで見られる。梅原淳もひとかどのこだわりを抱いて仕事に取り組んでいるつもりではあるが、江上氏の情熱には脱帽さぜるを得ない。
 手前味噌で恐縮ながら、梅原淳は本書の監修を務めた。本書の魅力の一つである「作品解説」のデータの確認、そして現役時代の写真の手配など、ささやかながら協力させていただいた次第である。だからというつもりはなく、一読者としても本書は非常に魅力的で、見る者に何かを考えさせる写真集だ。ぜひ一度お手に取ってご覧いただければ幸いである。
  • 2012.05.23 Wednesday
  • NEWS


calendar

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
<< September 2019 >>

LINK


selected entries

categories

archives

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM