『JR崩壊』(角川書店)の発売について

 梅原淳が著しました『JR崩壊』が角川書店から角川ワンテーマ21新書として2013年12月12日に、電子書籍として同12月13日にそれぞれ発売となりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 刺激的なタイトルで面食らわれる方も多いかもしれません。本書のテーマはここ数年の間にさまざまなトラブルに見舞われているJR北海道についてです。多発するトラブルの根源に一体何があるのかを同社の発足時、つまり国鉄の分割民営化にまでさかのぼって解き明かし、今後の道を探っていくことを主眼としました。
 本書の制作を通じて感じた点は圧倒的な無力感です。一連のトラブルの原因は確かにJR北海道が鉄道事業法に基づいて適切に鉄道事業を実施しなかった点にあり、監督官庁である国土交通省による厳正なる処分は必要でありましょう。しかし、そうした行為を生み出した背景にある気象条件や過疎化、行政による運賃制度といった諸問題、さらには同社の車両の多数を占めるディーゼル動車の供給先であった新潟鐵工所や富士重工業が相次いで鉄道車両製造部門から撤退(新潟鐵工所は倒産、富士重工業は撤退し、両社の鉄道車両製造部門を主として統合して新潟トランシスを設立)したことによる混乱という悪条件を前に、筆者は手をこまねいていてこれまで何の提言もできずにおり、恥じ入るばかりです。
 『JR崩壊』というタイトルではありますが、これはJR北海道をはじめとするJR各社がすでに崩壊してしまったという意味ではありません。このままの状態を続けていくとやがて崩壊するとの警鐘を鳴らすためのものです。
 本書ではJR北海道、そして将来のJR各社、鉄道会社各社が抱える問題とその解決策について多角的な分析を試みようと、有識者や関係者各位へのインタビューやコメントを盛り込んでいます。JR北海道と同様にJR三島会社と呼ばれる苦しい環境のなか、JR九州の経営に携わってきた元JR九州社長の石井幸孝(よしたか)氏、そして運輸評論家として主に地方交通線や第三セクター鉄道の問題の解決に取り組んでいる堀内重人氏のインタビューを掲載しましたし、それからJR北海道のトラブルの一因として取りざたされることの多い労働組合について実態を探るため、JR北海道の主要組合の全国組織である全日本鉄道労働組合総連合会(JR総連)と日本鉄道労働組合連合会(JR連合)とからのコメントを織り込むことができました。こうした意見だけでも本書をお読みになる価値があるのではと自負しております。どうぞ一度手にとってご覧いただければ幸いです。

  • 2013.12.17 Tuesday
  • NEWS


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