2017年5月11日(木)にBS朝日の「BS朝日ザ・ドキュメンタリー」に出演します

 梅原淳は2017年5月11日(木)朝7時00分から7時50分まで放送されるBS朝日の「BS朝日ザ・ドキュメンタリー」に出演します。テーマは 「負け続けた男、新幹線をつくる!」 でして、東海道新幹線の生みの親である国鉄総裁の十河信二(そごうしんじ)の功績について解説を担当しました。なお、解説は筆者のほかに須田寛氏、久保敏氏と、肩書を示す必要もないほどの大御所が務められるそうでして、お二人のコメントを筆者も楽しみにしております。

 

 さて、十河総裁についてはこれまでさまざまな論評がなされ、東海道新幹線の建設の動機については、本人も当時強く主張していたように、大正時代に時の宰相である原敬らに負けた後藤新平や仙石貢、島安次郎といった広軌改築論者の無念を晴らすためという説や技術者の夢を果たすためという説も有力です。しかし、真の目的は公共の利益に尽きると筆者は考えます。当時、このようなことを言うと、政府や与党からいまでいう特定地方交通線の建設を多数要求されるので、あえて避けたのかもしれません。

 

 長くなりますが、十河総裁がいかに公共の利益を重んじたのかがよくわかる事例を紹介しましょう。今日、営業廃止が取りざたされているJR北海道日高線の清畠(きよはた)-厚賀(あつが)間4・5kmのうち、約3kmの線路はかつて国道235号よりも太平洋側に敷かれていました。ところが、風や波による浪害がひどく、1959年から1961年にかけて国鉄は線路を移設し、今日のように国道235号よりも山側を通るようになったのです。

 移設工事の完成が間近な1961年に日高線を視察した十河総裁は、浪害から逃れた新しい線路の建設を担当した責任者に対して「何たることか」(岩垂定男、「苦心する浪害対策」、村上温・村田修・吉野伸一・島村誠・関雅樹・西田哲郎・西牧世博・古賀徹志編、『災害から守る・災害に学ぶ 鉄道土木メンテナンス部門の奮闘』、日本鉄道施設協会、2006年12月、73ページ)と厳しく注意しました。なぜでしょうか。「海岸法(昭和31年公布)の精神によって、この区間は国鉄が海岸保全の役割を果たすべきものであり、互いに相手方(筆者注、国道の管理者)を盾と頼んで糊塗(こと)する消極的な態度」(前掲書)であってはならないと諭したのです。つまり、十河総裁の真意は、「『国鉄が国土を守らなくてだれが守るのか』という気概をもって任に当たれ」でしょう。この考え方は、今日よく伝えられている東海道新幹線の建設の動機とは相いれませんが、公共の利益を重視という観点から見ると、筋は常に通っているのです。この点も考慮して番組をご覧いただければと思います。

  • 2017.05.09 Tuesday
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